Frequency-modulated timer regulates torpor–arousal cycles during hibernation in distinct small mammalian hibernators
Posted by | 黒澤 元 (Gen Kurosawa), 理化学研究所 (RIKEN) 数理創造プログラム (iTHEMS) |
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投稿日 / Date | 2024/09/02 |
2024年7月に出した論文を紹介させていただきます。山口良文先生、Elena Gracheva先生らとの共同研究です。
私たちは、長期かつ高解像度の体温データセットに対応する数理モデルを探索することによって、冬眠中の大きな体温変動が短い周期(数日)と予想外に長い周期(数百日)の相互作用によって支配されており、そうした周期の変動(周波数)が徐々に変化していくこと(周波数変調)を見つけました。理論解析は、主に儀保伸吾さんが担当されました。
この結論はシリアンハムスターとジュウサンセンジリスという異なる2種類の冬眠動物について導かれました。これは複数の冬眠動物において、冬眠中の大きな体温変動の背後に「周波数変調」というシンプルで共通の原理が存在することを初めて示した成果と考えています。今後、いろいろな動物がどうやって冬眠するのかを比べたり、冬眠の仕組みに迫ったりする上での手掛かりになればと考えています。
コメントや質問など大歓迎です。よろしければ下記のプレスリリースもご参照いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
https://www.riken.jp/press/2024/20240709_1/index.html