冬眠休眠研究フォーラム
Forum for Hibernation & Torpor Research

PubMedID 34932961
Title Transforming a neural circuit to function without oxygen and glucose delivery.
Journal Current biology : CB 2021 Dec;31(24):R1564-R1565.
Author Bueschke N, Amaral-Silva LD, Adams S, Santin JM

カエルも冬眠の際には神経系の低酸素・低グルコース耐性を発達させる

Posted by 山口良文, 北海道大学低温科学研究所 冬眠代謝生理発達分野
投稿日 / Date 2021/12/24

水中で冬眠・越冬するウシガエルが、冬眠の際には低酸素・低グルコース耐性を発達されることを見出した報告。実際には脳幹の呼吸神経回路活動を電気生理学で観察していて、冬眠明けのウシガエル脳幹が低酸素・低グルコース耐性を有することを示しています。いくつかの阻害剤実験からグリコーゲン分解がキーになっていると提唱しています。変温動物の越冬機構も哺乳類と同様、分子レベルの理解はまだまだですが、季節性のからだの変化が背後にあることを実験的に示せていて、哺乳類の冬眠とも何らかの共通点がありそうと感じました。